無償化も大事だけど子どものメンタルケアも!AI×人間で子どものメンタル改善に挑む米国スタートアップの事例

アメリカではAIと人で、スクールカウンセラーの不足を補おうとしています。いじめや子どもの自殺が溢れる日本では、どうなんでしょうか。
駒崎弘樹 2025.03.02
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こんにちは。AI×社会課題解決を掲げる「つながりAI株式会社」CEOの駒崎です。

最近は、政府が決めた高校無償化によって、教育に関する議論が盛り上がっています。

そんな中、気になるニュースがアメリカから。

日本語訳&要約してみました。

【スクールカウンセラーがいない?人間とAIチャットボットが答えます】

アメリカではスクールカウンセラー不足を解決するため、AIと人間が連携するハイブリッドチャットボットの導入が進んでいます。スタートアップ企業のSonar Mental Healthが開発したチャットボット「Sonny」は、生徒との対話をAIが担当しつつ、人間の専門スタッフが必要に応じて介入する仕組みとなっています。

Sonnyは現在、全米の9つの学区で4500人以上の生徒に利用されています。利用地域は主に低所得層や農村部など、メンタルヘルスケアが不足しているエリアです。

具体的な利用例として、カリフォルニア州の高校生ミシェル・エレーラ・ロハスさんのケースがあります。ロハスさんが大学の奨学金申請にストレスを感じているとSonnyに相談したところ、Sonnyは定期的に状況を気にかけ、的確なアドバイスを送って励ましました。ロハスさんはSonnyとのやり取りを通じて、「誰かが気にかけてくれている」と感じ、精神的に支えられたと語っています。

Sonnyは若者が気軽に相談できるよう、若者が使う言葉や絵文字を学習し、「クールな兄姉」のような親しみやすい対話を提供しています。今後はスタッフを増やし、24時間体制を目指すとのことです。

When School Counselors Aren’t Available, a Human-AI Chatbot Answers - WSJ
https://www.wsj.com/tech/ai/student-mental-health-ai-chat-bots-school-4eb1ba55

【増え続けるいじめ】

さて翻って、日本の子どもたちのメンタルを脅かす問題を見ていきましょう。

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続きは、2037文字あります。
  • 【子どもの自殺は過去最多】
  • 【日本での「支援の手」の不足】
  • 【テクノロジー「も」活用しよう】
  • 【我々がしたいこと】

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