兵庫県知事選後の世界はどうなるか

これから起きること。それに対して社会がしなければならないことをお伝えします。
駒崎弘樹 2024.11.19
読者限定

兵庫県知事選挙が終わりました。この結果を受けて、多くの識者の方々が、定義不明な「リベラル」や既存のマスメディアを叩いたり、はたまた民主主義の行く末について憂慮したり、様々な発言をされています。

今回は、政治や選挙の現場をある程度見てきた私の立場から、「今後どうなるか」に焦点を当てて話します。

1)反エスタブリッシュムーブメントの伸長

伝統的メディアやエスタブリッシュメント(エリート)・「リベラル」を「仮想敵」とする言説がより盛り上がるでしょう。そうした層の人々を冷笑するスタンスが識者の中でも相当数を占めます。ポリコレやフェミニズム的言説はエスタブリッシュメントの証なので、憎悪とネット上の攻撃の対象となります。

2)ネットde真実マーケティングの流行

批評家の宇野常寛さんが言うように「陰謀論(検証の不十分な情報)の流布の有効性が証明されて」しまいました。

選挙においては、伝統的メディアよりもSNSの影響力が大きくなる。SNSはファクトチェックが効かないので、陰謀論や偽情報によって「ネットde真実」層が動員されるようになり、彼らを動員するマーケティング手法が洗練されビジネスになっていきます。

こうした手法は再現可能であり、請け負う業者も出てくるでしょう。

3)新興勢力による確信犯的な動員と成功

新興政党や政治勢力が、

①エスタブリッシュメント叩き

②ネットde真実マーケティング

の組み合わせコンボで集票し、一定数の議席を獲得していく。

これが来年の参院選や都議選等で行われていくでしょう。

では次に、「それに対して社会はどうしていくべきか」を述べます。

【どうしていくか】

この記事は無料で続きを読めます

続きは、1780文字あります。
  • 1)公職選挙法の改正と改正の定期化
  • 2)プラットフォーム規制の強化
  • 3)選挙期間中の報道自粛の転換
  • 4)主権者(シチズンシップ)教育・情報リテラシー教育の推進
  • 5)陰謀論/偽情報流布への罰則強化・被害者へのケアを政策的に行う

すでに登録された方はこちら